月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
「ザーヒルの兵士が言っていたのです。『我々の後ろにはナーデル様がいらっしゃる。』と。」

「そいつが、以前ナディアが言っていた、ザーヒル様の後ろ楯だったのか。」

「ああ、そうかもしれない。」

ナディアさんとハーキムさんの話は繋がったけれど、そんなものじゃない!

「ナーデルさんは、ザーヒルを利用しているのよ!」

「えっ?」

「ザーヒルと王様達が戦えば、この国は一気に衰退する。どちらが勝っても、ナーデルさんには関係ない。」

それを聞いたジャラールさんは、壁を思いきり叩いた。

そこにいた誰もが、驚く。

いつもは冷静なジャラールさんが、そんな事をするなんて。


「ナーデルと言う者は、なぜそこまで、この国を憎むのか。」

「……分からないけれど、ナーデルさんの叔父さんが、『今でも母親を捨てた父親を、恨んでいるのか?』と言ってた。」

少なくても、テラーテさんのあの言い方では、その気持ちを周りに洩らしていたかは、分からなかったけれど。

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