月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
ジャラールさんが、先頭を歩きながら、ちらっと私を見る。

「結局、ジャラールさんを励ます事ができるのって、ハーキムさんだけなんだなって。」

「はははっ!そんな事を気にしていたのか。」

そりゃあ、ジャラールさんは笑うかもしれないけれどさ。

好きな人の力になりたいって思うのは、誰もが思うことなんじゃないでしょうかね。

「気にするな。クレハにも、十分励まされている。」

「そうですか?」

そんな気はしないんだけど。

「例えば、こんな風にだ。」

そう言って、私の手をぎゅっと握るジャラールさん。

「これはさすがに、ハーキムにはできない。」

嬉しくて、思わずニヤつく私。

本当に、単純だな。


すると、後ろからタンナーズさんの声が聞こえてきた。

「お二人、とても仲がよろしいんですね。」

「今だけだろう。舞い上がっているのは。」

ナディアさんの淡白な意見。

はいはい。

付き合い始めに舞い上がらないで、どうする!

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