月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
タンナーズさんが、顔を歪ませた。

「爆弾?」

「ずっと前に、街を攻撃された事があったのよ。直ぐにヘサーム様達が助けに来てくれて、大きくはならなかったんだけど。その時の音に似ているわ。」

背中が凍りつく。

爆弾だったとしたら、どれ程の人が亡くなっているんだろう。

「大丈夫?クレハ。」

見かねてタンナーズさんが、背中をさすってくれた。

「……タンナーズさんは、死体を見るのは平気?」

「クレハ……」

「私は平気じゃない。人が死ぬところなんて、関係ない場所で育ったから。」

ここに来て、改めて思う。

日本じゃ、事件や事故、病気じゃない限り、こんな事は起こらない。

それも一瞬で、多くの人が命を落とすことなんて、そんな事があり得るなんて!

「クレハ……私もできれば、死体なんて見たくはない。でも戦場って、そんなモノなんだ。そして、自分達の国が戦場にならないように守ってくれているのが、ヘサーム様やジャラール王子達なんだと思う。」

< 299 / 354 >

この作品をシェア

pagetop