月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
私は大広間の方へ向かった。

途中で窓から、悪戦苦闘しているヘサーム王子の軍が見える。

「ヘサーム様……」

次々と兵士が爆発で、宙を舞う。

やられているのは、宮殿の中ではなく、入り口付近だったんだ。

「タンナーズさん……」

辛いよね。

好きな人が、生きるか死ぬかの、瀬戸際に立っているのを、目の前で見るなんて。

「クレハ、行こう。」

私は頷いて、タンナーズさんと二人、大広間に向かった。

廊下の角を曲がると、いつぞや色っぽいお姉さん達が、ジャラールさんを待っていた場所に着いた。

入り口に近い壁は、ボロボロになっていて、埃で視界が悪くなっている。

「クレハ。ショールで鼻と口を押さえるんだ。」

「うん。」

タンナーズさんに言われた通り、ショールで顔を覆って、前に進んだ。

「危ない!」

タンナーズさんに急に腕を引っ張られ、向かい側の廊下に、体を押し付けた。

「敵みたいだよ。」

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