月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
タンナーズさんの言う通り、黒い服を着た人達と、白い服を着た人達が、刀を持って戦っている。

おそらく黒い服が、ザーヒルの兵士達だ。

その戦いは、どの人達も互角。

それはそうだよね。

元は同じ国で、同じ王様に仕えていた人達だもん。


「ここを通るのは、危険だね。他の道は?」

「大広間に行く道は、ここしか知らないの。」

ラナーの裁判の時だって、ここしか通らなかった。

「大広間に向かうんだったら、他の道はあるかもね。探してみる価値は、ありそうだよ。」

「そうなの?」

「大体大広間って言うのは、宮殿の中心に作られているものさ。通路が一ヶ所って事はないよ。」

そう言うとタンナーズさんは、元来た道の方を、振り返った。

「ああ、あった。あの道を行ってみよう。」

タンナーズさんは、私の腕を掴むと、少し戻った場所にある、宮殿の奥に進む道に入った。

奥は、真っ暗だ。

「えっ?ここ?」

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