月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
その中には、ジャラールさんやハーキムさん、ナディアさんの姿までいる。

「ここが宮殿の中の最前線なんだ。これがあるから、今のところ、後ろからザーヒル達は攻められない。それなのに、私達が人質を助けに行ってごらん?もちろん人質を捉えていたザーヒルの兵士達も、勢いでこの大広間に雪崩れ込んでくる。そうなれば、ここは前後から襲われて総崩れさ。」

「ナディアさん……すごい読み。」

「なあに。ただの勘だって。」

謙遜しているけれど、本当にすごいよ。

絶対ヘサーム王子の、影の右腕になりそう。


その時、味方の兵士の一人が、大広間中に聞こえるように、大声で叫んだ。

「喜べ!援軍がザーヒルの軍を打ち破ったぞ!」

味方からワアア!という歓声があがる。

もちろん私とタンナーズさんも、ハイタッチ!

「ヘサーム様がここまで来れば、ザーヒルの軍が倒れるのも、時間の問題だよ。」

「やったああ!」

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