月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
もちろん集団で駆けつけているから、ザーヒルの兵士達は簡単に蹴散らし、そのままの勢いで階段を昇って行った。

「ねえ、クレハ。」

「ん?」

タンナーズさんが、腕組をして私を見ている。

「確かネシャート王女って、ジャラール王子の婚約者なんだっけ?」

「そうだよ。」

そう返事をすると、タンナーズさんが白い目で、私を見てくる。

「余裕だね。」

「へ?」

「自分の好きな人が、婚約者を助けに行ってるんだよ?恋人としては、気が気じゃないんじゃない?」

「はははっ!」

そう言われてみれば、そうだわ。

私って、そういうところ呑気。

「いいの。ネシャートさんは。」

「はあ?」

「ずっと小さい頃から、ジャラールさんとネシャートさんは、お互いを必要としていた。途中から来た私なんて、間に入れないくらいに、二人は強い絆で結ばれているのよ。」

「へえ。じゃあ、クレハは認めるんだ。」

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