月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
タンナーズさん、最初は一歩引いた人かもしれないと思ったけれど、結構イケイケな人だな。

「逆にタンナーズさんは、お妃様の事、認めてないの?」

「私は逆だよ。先に結婚してたのは、あっちなんだ。認めざるを得ないんだよ。」

まるで愛されているのは、私の方よ!と、愛人さんが言いそうな言葉。

そのくらいじゃないと、本当はハーレムを生き抜いていけないのかな。


そしてしばらくして、ザーヒルの兵士達が、階段を転げ落ちてきた。

その中にはザーヒルもいる。

「ひぃいいい!」

なんか、前回ジャラールさんと戦った事を思い出すと、随分弱くなったな、ザーヒル。

「おい!ナーデル様は、いづこだ!」


えっ?ナーデル?

ナーデルさんが来ているの?


私が吸い寄せられるように、階段の下へ行くと、ちょうどザーヒルの兵士達が逃げている最中だった。

「クレハ!」

名前を呼ばれ、振り返った。

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