月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
「はい。」

「ザーヒル!どこだ!出て来い!」

ジャラールさんの叫び声を聞いて、大広間への扉を開けた時だ。


「ザーヒルはいないよ。」

「誰だ?お前は。」

嫌な予感が背中に走って、私はその声の主を確かめた。

「速やかに王を出してもらおう。」

「我が王をどうする気だ!」

「簡単な事だよ。我の母を捨てた責任を取ってもらう!」

やっぱり、その声は……


「ナーデルさん!」

そのまま放っておけなくて、ジャラールさんの側に、行ってしまった。

「ク、クレハ!」

あっ!しまった!

私は慌てて、ジャラールさんの影に隠れた。

「も、もしかして……そいつが、クレハの心を奪った者なのか!」

あまりにも古典的な言い回しに、ジャラールさんも目が点になっている。

「えっ……あっ……うっ……うん。」

あー。

こういう事認めるのって、すごく恥ずかしい!

「よし!お前に決闘を申し込む!」

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