月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
「決闘……」

「どうした?我に勝つ自信がないのか!」

そう言ったナーデルさんは、刀を素早く抜くと、あっという間にジャラールさんに切りかかった。

「ジャラールさん!」

私が手を伸ばすと、ジャラールさんは腕を伸ばした。

「来るな。」

「ジャラール……さん?」

「大丈夫だ。クレハは誰にも渡さない。」

ジャラールさんの言葉をきっかけに、また激しい刀の打ち合いが始まる。


と言うか、ナーデルさん。

強い!

あの林の中で育ったって言ってたけれど、強さはジャラールさんと互角だよ。


「ナーデルと言ったな。」

「ああ、そうだ。」

「クレハに聞いたが、我らを恨んでいるそうだな。」

「それがどうした!」

「理由は母親の事なのだろう?今、母親はどこにいる?」

「母はとっくの昔に死んだ!」

ナーデルさんはジャンプして大きく振りかぶると、ジャラールさんに思いっきり刀を降り下ろした。

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