月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
「ジャラールさんが!」

私の指差した方向を見ると、ハーキムさんは階段の手すりに、身を乗り出した。

「ジャラール様!」

ハーキムさんは、ジャラールさんが刀を持っていない事に気づくと、2~3段、階段を降りた。

「受け取って下さい!」

階段の隙間をぬって、ハーキムさんの刀が、ジャラールさんの手に落ちる。

「有り難う、ハーキム!」

ジャラールさんはハーキムさんの刀を使って、ナーデルさんとまた刀を交える。


「いつ、終わるの?」

ハーキムさんは、歯を食い縛りながら、じっと二人を見ているだけだった。

「ハーキムさん!」

「私にも分からぬ!」

ただ見ているだけ。

私とハーキムさんには、それしかできなかった。

激しい刀の打ち合いが続き、遂に階段を降りて、大広間に着いた二人。

そこには助け出され、避難していた王様がいた。

「ジャラール!?」

誰か分からない相手と、戦いながら階段を降りてきたジャラールさんに、王様が前に出て声を掛けた。

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