月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
「でも!母さんが死んだ後、幼い我を育ててくれたのは、テラーテだ!離れるなんて嫌だ!」

「ナーデル……寂しいのは分かるが、本当の父親と暮らすのが、お前の幸せだ。分かってくれ、ナーデル。」

「そんな!そんな……」

泣きじゃくるナーデルさんを見て、王様がため息をついた。

「はぁ。離れて暮らしていたと言うのに、なぜこんなにも親子は似るものなのか。」

「えっ……」

王様はナーデルに近づくと、ジャラールさんの背中を叩いた。

「確か誰かさんも、同じ台詞を言っておったな。」

ジャラールさんは、真っ赤な顔を知られないように、反対側を向いていた。

「もしかして、父さんも?」

「余計な事は言わないで頂きたい、父上。」

こうして見ると、うん。

ナーデルさんもジャラールさんも、なんだか似ている。

「そう言えばそなたは、テラーテと申したな。」

「は、はい。」

王様は、テラーテさんの目の前に立った。

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