月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
「うんうん。そして就職もしていないのに、結婚を語り始める。」

「うわっ!面倒くさい。」

ときわの話が、リアルに聞こえる。

「おまえら……男の純情をなんだと思ってるんだ。」

一人光清だけが、女にショックを受けている。


う~ん。

こうして考えると、男って年代で、口説き方って変わるんですかね。

私はいつの間にか、腕組をしながら考え込んでしまった。

「まあ。なんだかんだ言って、元気そうでよかったよ。」

ときわが私の背中を軽く押す。

「今回は3日で済んだからよかったけれど、もしかしたら何ヵ月?1年とか寝たきりになるんじゃないかって、思ってから。」

「実は、私もそう思ってた。」

そう言ってときわと顔を合わせながら、笑いあった。

ジャラールさんと離れるのは嫌だけど、現実の世界に戻って来れないのは、本当に困るからね。

「ところで、クレハ。」

近くで私達の話を聞いていた光清が、難しい顔をしている。

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