月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
それから私は、ある思いが芽生え始めた。

「あら、随分な参考書だこと。」

本屋さんに行って買ってきた参考書の数に、母親は驚いていた。

「うん。私さ、将来……」

「なあに?」

「語学を勉強したいんだよね。」


もちろん、アラビア語。

夢の中だから、日本語をしゃべったって、通じるんだけどさ。

私がアラビア語、解れば尚一層、ジャラールさんの気持ちとか、分かると思うんだよね。

「それは、彼の為?」

「うん!」

お母さんには、正直に言える。

「そう。夢の中でも、努力する事は大切よね。」


まだ、みんなには言っていない。

実は私が、現実と夢の中を、自由に行き来できている事。

「じゃあ、お休みなさい。」

「ええ。お休み。紅葉。」

そして私は、もう一つの世界へと、旅をする。


「今日も、待っててくれるのかな。」

私はワクワクしながら、夢の中へ旅だった。

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