痛くしないで!~先生と始める甘い治療は胸がドキドキしかしません!~
Holiday
その後、百合の治療は無事に終わった。
抜歯のあとは、穴があいた歯にも金属を嵌めた。全体的なクリーニングも終了し、百合の口腔内は現状ノーストレスである。
「お疲れさまでしたぁ。それでは本日ですべての治療は完了しましたので、次回からは定期的な検診になりますね~。だいたい三ヶ月くらいを目安にご予約お取りしておりますが……もう取っちゃいます?」
「お願いします」
「はぁい~それではぁ……」
カチカチとマウスを操作しながら受付内のパソコン画面を見つめる桃瀬を横目に、受付カウンター上に置かれる可愛い卓上カレンダーを見つめる百合はぼんやり考える。
(三カ月後……その頃にはもう年末になってる。はやいなぁ)
一年が経つのはあっという間である。子供の頃にはそうは思わなかった毎日も歳を重ねるほどあっという間に過ぎていくから不思議だ。社会人になってからより思う。そして今年、自分の人生に起きるはずがないと思っていた事態が起きてしまったのだ。
「年末年始はお休みになりますので……年末前の少し早めで仮予約にしておきましょうか!」
「はい。お任せします」
「あくまで予定で結構ですので。もしご都合悪くなられたらいつでも変更連絡してくださいねって……もう心配ないか」
うふ、っと声がしそうなほどの含み笑いで首を傾げる受付嬢は笑顔が完璧である。百合も思わずつられて小首を傾げながら笑顔を返してしまう。
「これからイベントたくさんだし楽しみですねぇ♡うふふ♡もしよかったらどんなクリスマス過ごしたとか教えてくださいねぇ」
「……」
「笹岡様? あれ? 笹岡さま~?」
「え、あ、は、はい!」
「やだぁ、いろいろ想像しました? しちゃいますよね? 先生とのクリスマス!」
「は――っ!」
クリスマス!?
抜歯のあとは、穴があいた歯にも金属を嵌めた。全体的なクリーニングも終了し、百合の口腔内は現状ノーストレスである。
「お疲れさまでしたぁ。それでは本日ですべての治療は完了しましたので、次回からは定期的な検診になりますね~。だいたい三ヶ月くらいを目安にご予約お取りしておりますが……もう取っちゃいます?」
「お願いします」
「はぁい~それではぁ……」
カチカチとマウスを操作しながら受付内のパソコン画面を見つめる桃瀬を横目に、受付カウンター上に置かれる可愛い卓上カレンダーを見つめる百合はぼんやり考える。
(三カ月後……その頃にはもう年末になってる。はやいなぁ)
一年が経つのはあっという間である。子供の頃にはそうは思わなかった毎日も歳を重ねるほどあっという間に過ぎていくから不思議だ。社会人になってからより思う。そして今年、自分の人生に起きるはずがないと思っていた事態が起きてしまったのだ。
「年末年始はお休みになりますので……年末前の少し早めで仮予約にしておきましょうか!」
「はい。お任せします」
「あくまで予定で結構ですので。もしご都合悪くなられたらいつでも変更連絡してくださいねって……もう心配ないか」
うふ、っと声がしそうなほどの含み笑いで首を傾げる受付嬢は笑顔が完璧である。百合も思わずつられて小首を傾げながら笑顔を返してしまう。
「これからイベントたくさんだし楽しみですねぇ♡うふふ♡もしよかったらどんなクリスマス過ごしたとか教えてくださいねぇ」
「……」
「笹岡様? あれ? 笹岡さま~?」
「え、あ、は、はい!」
「やだぁ、いろいろ想像しました? しちゃいますよね? 先生とのクリスマス!」
「は――っ!」
クリスマス!?