痛くしないで!~先生と始める甘い治療は胸がドキドキしかしません!~
無知で経験のない、未知すぎる恋人のいるクリスマス。しかも相手はあの三嶌だという。想像だけで窒息しそうである。実際息の吐き方を忘れて固まってしまった。
「笹岡様!? ちょ、大丈夫ですか!! 息して! 吸ったら吐いて!」
受付で声を荒げる桃瀬の声かけになんとか百合は呼吸法を思い出して命を取り留めた。
まだ慣れないことが多い。
それこそお付き合いなるものを始めてひと月も経たないのだ。関係性はまだ医師と患者、その方が近い。それでもその関係に一端の区切りがついた。これから三嶌と会うのは治療がメインではないのか、そんなことを考えるだけでドキドキが止まらない百合である。
開業医として忙しくしている三嶌である。休みは基本日曜日しか合わないのだが、三嶌の仕事の都合で会う時間がなかった。会えたのは治療で通った数日のみである。やはり傍から見たら恋人より患者と言われてもおかしくない。次、三嶌と会うときは自分は患者ではなく、三嶌の恋人として会いに行けるのか。そのドキドキを胸に抱えつつも心の奥底でモヤッとした感情が湧いたがそれを振り払うように頭を振った。
受付の桃瀬に頭を下げて病院を去ろうとしていた時だった。
「百合」
甘い声が百合の足を止めた。
「桃瀬くん、悪いけど裏から通してくれる?」
「あ、わかりましたぁ~」
とても軽い口調で桃瀬が受付を立って奥に引っ込んだ。それを茫然と見つめる百合に三嶌がまた声をかける。
「一回出て回ってきてくれる?」
一回出ろ? 病院を? それを目配せで問いかけると三嶌は当然読み取って笑顔で頷いた。百合は迷いながらも玄関扉を開けて横を振り向くと、桃瀬が少し離れた扉から顔だけ出してニコリと微笑んで手招きしてくる。
「笹岡さま~こっちですぅ~」
桃瀬が顔を出している扉はスタッフ専用の扉だった。
「笹岡様!? ちょ、大丈夫ですか!! 息して! 吸ったら吐いて!」
受付で声を荒げる桃瀬の声かけになんとか百合は呼吸法を思い出して命を取り留めた。
まだ慣れないことが多い。
それこそお付き合いなるものを始めてひと月も経たないのだ。関係性はまだ医師と患者、その方が近い。それでもその関係に一端の区切りがついた。これから三嶌と会うのは治療がメインではないのか、そんなことを考えるだけでドキドキが止まらない百合である。
開業医として忙しくしている三嶌である。休みは基本日曜日しか合わないのだが、三嶌の仕事の都合で会う時間がなかった。会えたのは治療で通った数日のみである。やはり傍から見たら恋人より患者と言われてもおかしくない。次、三嶌と会うときは自分は患者ではなく、三嶌の恋人として会いに行けるのか。そのドキドキを胸に抱えつつも心の奥底でモヤッとした感情が湧いたがそれを振り払うように頭を振った。
受付の桃瀬に頭を下げて病院を去ろうとしていた時だった。
「百合」
甘い声が百合の足を止めた。
「桃瀬くん、悪いけど裏から通してくれる?」
「あ、わかりましたぁ~」
とても軽い口調で桃瀬が受付を立って奥に引っ込んだ。それを茫然と見つめる百合に三嶌がまた声をかける。
「一回出て回ってきてくれる?」
一回出ろ? 病院を? それを目配せで問いかけると三嶌は当然読み取って笑顔で頷いた。百合は迷いながらも玄関扉を開けて横を振り向くと、桃瀬が少し離れた扉から顔だけ出してニコリと微笑んで手招きしてくる。
「笹岡さま~こっちですぅ~」
桃瀬が顔を出している扉はスタッフ専用の扉だった。