痛くしないで!~先生と始める甘い治療は胸がドキドキしかしません!~
 いきなりのキス、驚くなと言う方が無理だろう。そう思ったところでそれを言えるわけもなく。三嶌から押し付けられる唇をただ受け止めるだけの百合がいる。

「ん、ぁむぅぅっ」

 ぐっと腰まで抱かれて身体が密着する。キスはもちろんだが抱きしめられることにもまだ慣れていない。両手をどこにやればいいのか、戸惑いばかりで宙を彷徨っているがキスが脳を麻痺させていく。

 食むように口づけられ、まるで唇だけを食べられているような甘いキスに自然と手が三嶌の腕に触れた。抱きしめてくれる腕に触れたらそれをぎゅっと握りしめる。掴まえていたい、そんな気持ちを駆り立てられる。三嶌のそばにいれる時間はずっと近くで離れずにいたい……そうまで思うほど百合はもう三嶌に狂わされているのだ。

「んっ」

「治療、終わっちゃったね」

「……は、はい……ありがとうございました……」

 キスで呆けた百合がなんとかお礼を言うとくすりと三嶌が笑う。

「寂しいな。百合がもう病院に来てくれない」

 そんな風に言って、百合にすり寄る様に三嶌が体をきゅっと抱きしめてきた。
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