痛くしないで!~先生と始める甘い治療は胸がドキドキしかしません!~
「は、ぁ……」

「キス、気持ちいいね。百合は感じやすいなぁ」

 好きな人に触れられてまして熱いくちづけを落とされて感じない女の子などいるのだろうか。

 二次元世界の女の子はいつだって好きな相手に溶けるように身悶えている。まさに今の自分である。ああ、あれは嘘ではなかった。それを実感するものの感じる体感は初めての事である。

 気持ちいい、それを始めて知ってより百合の身体は震えるのだ。

「んっ」

 ちゅっと頬にキスを落とされてそれにも素直に身体を震わせる百合は、恍惚そうに見下ろしてくる三嶌と目が合って本気で腰が抜けそうだ、そう思っていたら三嶌が問いかけてきた。

「ねぇ百合、どうして僕の家に来たいなんて言ったの?」

「ん、ぇ……?」

 パクッと耳を食べられて百合はまた身体を跳ねさせた。三嶌の手が身体にも触れてくる。いろんなところに神経を張り出したら言葉の意味まで理解できるわけがない。

 どうして家に来たのか、自分から男のテリトリーに無防備に足を踏み入れる危険性を百合はどこまで覚悟している? それを問うている三嶌だが百合はまた予想を裏切る言葉を投げてくる。

「終わらせたく、なかったから……」

「……何を?」

 百合の吐く気持ち(言葉)の真意を読めなくて三嶌は問いかけるものの百合は言葉を飲み込んでしまう。


 ――終わらせたくない、は……何を?


「百合?」

「……初めては、痛いんでしょ?」

 そう言って見上げてくる百合の瞳は熱を孕んで揺れていた。

「でも、痛いって……感じたかったから。先生から与えられる痛み……もっと知りたくて、感じたかったから。だから……来ました」

 やっぱりどうしたって、百合の思考にはついていけない。そう思った三嶌はこの瞬間で確実に百合に堕とされた。
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