痛くしないで!~先生と始める甘い治療は胸がドキドキしかしません!~
 痛い思いなんかさせたくない――そう言っていた三嶌があえて百合の言葉を繰り返す。

「百合、死ぬ覚悟だってあったよね?」

「え」

 記憶を遡る。
 自分が三嶌に一体どんな言葉を投げてきたのか、そして三嶌はそれらをどこまでまともに受け止めているのか。

 百合はまだ何もわかっていない、その無防備さが三嶌を煽っていることに。

「大丈夫……全部僕が受け止めてあげるから。だから百合も……僕の事受け止められるよね?」

 三嶌は言っていた。

 ――僕ねぇ、結構愛が重い方らしい。

 受付嬢も言っていなかったか?

 ――諦めて先生の愛を受け止めてくださいね。ちょっと……。

「ああんっ!」

 考えてる間にいきなり奥まで刺激を与えられて本気で息が止まりかけた。

「ああ、ほら大丈夫……百合はなんでも受け入れられるから」

 ――ちょっと……いやかなり粘着質なヤンデレタイプですけど。

 初めては思いのほか痛みはなかった。

 それでも百合の胸に言葉にできない痛みを擦り付ける三嶌は「可愛い、可愛い」を繰り返して幾度となく腰を打ち付けていた。
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