痛くしないで!~先生と始める甘い治療は胸がドキドキしかしません!~
Special time
 目が覚めて時計を探した。

 カーテン越しから見える窓の外はまだ薄暗いから夜明けまでまだ時間があるのだろうか。ぼんやりとした思考で百合は身体を起こそうとするが自分の身体に巻き付く筋肉質な腕に拘束されて動けそうにない。

(か、かっこいい……彫刻みたいな寝顔……)

 三嶌は寝るとき百合のことを絶対に離さない。眠っているはずなのに拘束する腕の力が強くて百合は本当に三嶌が寝ているのか疑うこともある。

 締め付けられるくらい強い力は本音は苦しい時もある。それでも百合には幸せな気持ちの方が勝っていた。抱きしめてもらえるなら力いっぱい抱きしめてもらいたい、いつもそう思っている。

 結局今が何時か確かめることもできないので抱きしめられた腕の中でもう一度瞳を閉じた。
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