痛くしないで!~先生と始める甘い治療は胸がドキドキしかしません!~
カルテを見た桃瀬は小首を傾げる。
「笹岡百合……これいつのAO患者ですか? 水曜……? え、先生勝手に診察しちゃったんですか? ゲルトどうなってるんだろう、今日であげていいんですかね」
「そんなことより!! やばいって!! この子捕獲されるって!」
捕獲、とあまり人に使わない用語を発する香苗がいる。それに桃瀬は驚くこともなく笑顔で答えた。
「まさかぁ。先生が患者様とは一線引いてるのは……」
「そうだけど!!」
桃瀬の返事に食いつく香苗、それに桃瀬もさすがに真面目に受け止めた。
「え、マジですか?」
「マジなのよ」
「……」
夕方になるにつれクリニック内はどこか浮足立っていた。
十七時半予約の笹岡百合を早く見たくてたまらない、香苗と桃瀬は今日それだけを楽しみに仕事に勤しんでいた。
三嶌が一度会っただけでえらく執着しているらしいその相手に興味しかない。
休診日の翌日は混みやすく、予約なく来院する患者も多い。基本は予約優先だが三嶌はどんな患者も笑顔で受け入れるので桃瀬も笑顔で受け入れるようにしている。
十七時十五分が過ぎた。
もうすぐ例の患者がやってくる、そのワクワクを抑えられずいつも以上の笑顔で患者に対応していた。
――ピンポン
扉が開いた音に予約表を確認していた視線を入り口に向けて桃瀬はハッとする。
(うっそ――)
「笹岡百合……これいつのAO患者ですか? 水曜……? え、先生勝手に診察しちゃったんですか? ゲルトどうなってるんだろう、今日であげていいんですかね」
「そんなことより!! やばいって!! この子捕獲されるって!」
捕獲、とあまり人に使わない用語を発する香苗がいる。それに桃瀬は驚くこともなく笑顔で答えた。
「まさかぁ。先生が患者様とは一線引いてるのは……」
「そうだけど!!」
桃瀬の返事に食いつく香苗、それに桃瀬もさすがに真面目に受け止めた。
「え、マジですか?」
「マジなのよ」
「……」
夕方になるにつれクリニック内はどこか浮足立っていた。
十七時半予約の笹岡百合を早く見たくてたまらない、香苗と桃瀬は今日それだけを楽しみに仕事に勤しんでいた。
三嶌が一度会っただけでえらく執着しているらしいその相手に興味しかない。
休診日の翌日は混みやすく、予約なく来院する患者も多い。基本は予約優先だが三嶌はどんな患者も笑顔で受け入れるので桃瀬も笑顔で受け入れるようにしている。
十七時十五分が過ぎた。
もうすぐ例の患者がやってくる、そのワクワクを抑えられずいつも以上の笑顔で患者に対応していた。
――ピンポン
扉が開いた音に予約表を確認していた視線を入り口に向けて桃瀬はハッとする。
(うっそ――)