痛くしないで!~先生と始める甘い治療は胸がドキドキしかしません!~
「一番、アウトいいよ」
百合観察に夢中になっていた香苗は三嶌の声にハッと意識が戻った。
患者の出ていく指示に香苗が駆け寄った。
「お疲れさまでした」と、患者のエプロンを取り外して見送った流れで受付状況を伝えようと思ったのに三嶌がサッと受付の方に行ってしまう。
(あ゛ーー!! 待って待ってぇ! まだ伝えてないーーっ!!)
時すでに遅し。
香苗は焦って三嶌を追いかけようとするのだが、奥の別の診察室でかけていたタイマーが鳴りそちらに足が取られて受付に行くことが出来ない。
「桃瀬くん、次の予約なんだけど――」
三嶌の声を背中に香苗は息を止める。桃瀬もまた息を飲んだ。ジッと大きな瞳で見つめてくる桃瀬、その瞳はなにかを言いたげで三嶌も一瞬反応する。そして、なんとなく受付を見て一旦静止した。
待合ソファに並んで座る二人の女性に院内スタッフたちは思考を一瞬止めた。
「せんせぇ~~」
やたら甘えた声で腰を上げたその女性に隣にいた百合はビクリと体を跳ねさせ、少し身を引いた。
その表情は驚きと少し怪訝な表情で……それを三嶌と桃瀬は当然見逃さない。
「こんばんは、黛さん。どうされました?」
三嶌は目元を穏やかに緩めて、甘い声を出して近寄ってくる患者に声をかけた。
百合観察に夢中になっていた香苗は三嶌の声にハッと意識が戻った。
患者の出ていく指示に香苗が駆け寄った。
「お疲れさまでした」と、患者のエプロンを取り外して見送った流れで受付状況を伝えようと思ったのに三嶌がサッと受付の方に行ってしまう。
(あ゛ーー!! 待って待ってぇ! まだ伝えてないーーっ!!)
時すでに遅し。
香苗は焦って三嶌を追いかけようとするのだが、奥の別の診察室でかけていたタイマーが鳴りそちらに足が取られて受付に行くことが出来ない。
「桃瀬くん、次の予約なんだけど――」
三嶌の声を背中に香苗は息を止める。桃瀬もまた息を飲んだ。ジッと大きな瞳で見つめてくる桃瀬、その瞳はなにかを言いたげで三嶌も一瞬反応する。そして、なんとなく受付を見て一旦静止した。
待合ソファに並んで座る二人の女性に院内スタッフたちは思考を一瞬止めた。
「せんせぇ~~」
やたら甘えた声で腰を上げたその女性に隣にいた百合はビクリと体を跳ねさせ、少し身を引いた。
その表情は驚きと少し怪訝な表情で……それを三嶌と桃瀬は当然見逃さない。
「こんばんは、黛さん。どうされました?」
三嶌は目元を穏やかに緩めて、甘い声を出して近寄ってくる患者に声をかけた。