痛くしないで!~先生と始める甘い治療は胸がドキドキしかしません!~
歯科診療においてなによりも心がけるべきことは患者の恐怖心を取り除くことだと三嶌は思っていた。
無駄に怖がられる歯医者。
それは子供だけではなく、百合の様に大人でも嫌悪を抱かれることが多い。医療業界の中でも歯科医院へのイメージは抵抗と拒否感はトップクラスではないかと思っている。
そんななかで、「優しい言葉をかける」ことは日常で息を吐くくらい自然と身に付けるようになった。
三嶌はもともとが穏やかな性格ではあるが、根本ドライな人間である。
これは仕事だ。
医師として、患者のために治療という業務を全うする。
そう割り切らないと精神的にもたない部分もあるからである。
患者は基本勝手だ。自分の意思主張を平気でぶつけてくる。「先生」と、祀られるような時代は終わった。医者も医療ももはやサービス業である。
風邪や腹痛があれば病院に通う、歯医者も同じ。歯が痛んだ、我慢できない……そういうときでしか訪れることはないだろう。基本そうでそれでいい、とは思うのだが。
ケアすること、定期的な検診、治療経過中……痛みが取れればもういい、は違う。
痛みが起きないためにやるべきことをすべきなのだと、それがなかなか患者には伝わらない。
目の前の痛みを取り除いてやれれば患者は満足する、それでいいじゃないか。そう思う気持ちに嘘はない、嘘はないが……虚しくなる日も事実だった。
そう、三嶌は医師として働く様になってから数年……患者のために、そう思い描いていた理想や熱意はどこか冷めて淡々と日々を過ごしていたことに気付いた。
無駄に怖がられる歯医者。
それは子供だけではなく、百合の様に大人でも嫌悪を抱かれることが多い。医療業界の中でも歯科医院へのイメージは抵抗と拒否感はトップクラスではないかと思っている。
そんななかで、「優しい言葉をかける」ことは日常で息を吐くくらい自然と身に付けるようになった。
三嶌はもともとが穏やかな性格ではあるが、根本ドライな人間である。
これは仕事だ。
医師として、患者のために治療という業務を全うする。
そう割り切らないと精神的にもたない部分もあるからである。
患者は基本勝手だ。自分の意思主張を平気でぶつけてくる。「先生」と、祀られるような時代は終わった。医者も医療ももはやサービス業である。
風邪や腹痛があれば病院に通う、歯医者も同じ。歯が痛んだ、我慢できない……そういうときでしか訪れることはないだろう。基本そうでそれでいい、とは思うのだが。
ケアすること、定期的な検診、治療経過中……痛みが取れればもういい、は違う。
痛みが起きないためにやるべきことをすべきなのだと、それがなかなか患者には伝わらない。
目の前の痛みを取り除いてやれれば患者は満足する、それでいいじゃないか。そう思う気持ちに嘘はない、嘘はないが……虚しくなる日も事実だった。
そう、三嶌は医師として働く様になってから数年……患者のために、そう思い描いていた理想や熱意はどこか冷めて淡々と日々を過ごしていたことに気付いた。