痛くしないで!~先生と始める甘い治療は胸がドキドキしかしません!~
 真っ直ぐな透き通る瞳に見つめられて、心の中を見透かされるような気持ちになった。

 でもそれもいいなと、不思議と思ったのだ。

 執着ばかり、欲しいと思ったら誰にも渡したくないほど幼稚な思考をずっと捨てられない三嶌の精神は病んでいる。年齢を重ねるほどその執着心は強くなり、より人に理解されなくなってきた。

 理解されないと悲しい、分かってもらえないのは辛い。


 なぜなんだろう、自分は相手を傷つけたいわけじゃないのに。

 だれよりも愛して自分の手で愛でて暮らしたいだけなのに。


 その異常な執着心を愛とはなかなか恋人たちは呼んでくれなかった。

 怖い! 無理! と、泣いて逃げていかれてまた三嶌の心は傷ついた。そして傷ついた心は癒えることのないままより執着さだけを増すようになる。

 次は離れていかれない様に……今度こそ手放さないように……その思考と表現はやはり受け入れてなどもらえないのだった。
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