痛くしないで!~先生と始める甘い治療は胸がドキドキしかしません!~
「んん!!」

 三嶌が百合のくちびるにかぶりついてくる。

 突き出した舌は言葉の通り食べられるように貪られ熱いくちびるが重なってくる。

「ん―――んっ!!」

(んなぁーー! なになになに、し、舌が、引っこ抜かれそう!!)

 吸い付かれて吸い上げられて口の中を弄ぶように三嶌の舌が暴れている。

 昨日の触れるだけだったキスをした人と同じ人間には思えなかった。いやむしろ、目の前にいる人物は人間ではないのではないかと思うほど乱暴なキスをしてくる。

「んぁ、はぁ、ん……」

 やっと息ができる、百合はまずそれだけ思った。

 キスの経験なんかまるでない百合に鼻から息をするなんていう芸当は身につけられていない。

 肩でぜぇはぁ息をしている百合を満足そうに見つめる三嶌がいる。

「まだ身体までいけないなぁ、ここは僕のモノになったと思っていたけどまだ全然だった」

「へ、ぁん!!」

「まずはキスから慣れていこうね」

「んん!!」

 そのまま軽く一時間ほど三嶌にくちびるを奪われた百合は帰るときには唇も腫れることになっていた。
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