隠れ美少女とクール系男子
 あれ、さっきまで人嫌いか? とか思ってたのにそんなことなさそうに思えてきた。

 恐怖心が見えた目は気のせいだったのか?単純に群がってくる女子が鬱陶しかった? うーん。

 考えながら黙々とお昼を食べているといつの間にか弁当箱が空っぽになっていた。

 わたしは、弁当箱を片付け今にも気絶の危険があるこの場から離れようと思った。

 だが、さっきからお前お前と呼ばれるものだから立ち去り際に菓子パンを食べ終わりぼーとしていた彼に向かってこう言った。



「私の名前はお前じゃなくて愛笑です!」



 ───初めて、彼の顔をまともに見た瞬間だった。
< 32 / 54 >

この作品をシェア

pagetop