隠れ美少女とクール系男子

イジメ

 お昼休みのの五分前。教室に戻り席に着くと、さっそく女子軍に囲まれた。



「あんた、さっさと席交換しなさいよ!」

「図々しいわね」

「地味子のくせに」



 という感じだ。ストレスがたまる。

 私はストレスを感じすぎると日常生活に支障が出る。

 例えば、急に意識がなくなることや不眠になるのだ。何か手っ取り早くこの状況をなくす方法はあるだろうか……。

 生徒会長である兄を頼ればいいと思うがなるべく自分で解決したいのだ。

 ため息をつくと後ろから聞いたばかりの声がした。



「そこ、俺の席なんだけど」

「か、翔様……! ごめんなさい!」



 翔サマ……? もしかしてこいつがそうなのか?

 翔様と言われたのは先ほどお昼を共にした男子生徒だ。(渋々だが)

 翔は、ずっと空席だった席に座り私に話しかける。



「愛笑。同じクラスだったんだな」

「だからなんです?」


 ……というかこいつ、しれっと呼び捨てだぞ。私も同じようなものかもしれないけど。
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