どうも、魔導師様に拾われた幼女です!
リヴェル様のことは信用できそうだし、ちょっと嬉しいかも…。
「ノアもついてきますか?」
「当たり前だろ。俺はメリーの守護者だぞ」
「守護者…そうですか、やはり」
どこか納得したように、少しだけ寂しそうに笑うリヴェル様。
「リヴェル様…?」
「…行きましょう、メリー」
ごく自然に抱き上げられ、速足でリヴェル様が部屋を出ようとした。
まるで、ノアから逃げるように。
ノアもすぐに追ってきて、リヴェル様が残念そうにため息を吐いた。
ノアが嫌なのかな…?
「リヴェル様…、私、やっぱりここに住まわせてもらうの──」
「何故です?」
私がそう言うと、リヴェル様が私の脇に手を差し差し入れ、目線を合わせてくる。
「駄目ですよ、そんなこと言っちゃ。余計…縛り付けたくなる」
憂うように長い睫毛を伏せ、ぼそりと危険発言をするリヴェル様は一度スルーするとして。
「でも、ノア…」
「ノアが嫌なのではないのです。ノアはメリーの守護者でしょう?ノアとメリーの間には、誰も勝てないような絆と信頼があるんです。それに、私が勝てることはない…嫉妬してるだけです」
なんとも可愛い理由である。
「リヴェル様、可愛い…っあ、なんでも、」
「可愛いですか?嬉しいです」
あれ、復活はやくない?
「さ、紹介しますね」
こんなやり取りをしながらも歩みを止めないのがリヴェル様らしいというか。
「まず執事長のロドリゴ、ロドリゴの息子で執事のセバス、侍女長のカタリーナ、侍女のイザベル、メイド長のマルグ、メイドのソフィアとアンナ、料理長のピエール、料理人のルカ、庭師のエミールです。ロドリゴとカタリーナ、マルグ、アンナだけ覚えればいいですよ。湯浴みや成長したときの着替えなどはアンナにやってもらいますから」
リヴェル様がそう言うと、全員が頭を下げる。
「これは全員ではないんですけど、表で働いてるのはこの10人ですね。あとは諜報や伝令などがおりますが、メリーが会うことはないので」
10人でも十分多いのに、まだいるんだ…。
「そういえばリヴェル様はどんな家柄なの?」
「私ですか?私は侯爵ですよ」
「侯爵様…私、は…?」
私は、自分が貴族ってことしか知らない。
もしかしたら貴族じゃなくて準貴族だったりして。
父は騎士じゃなかったから、騎士の位ではないだろう。
「メリーは子爵家のご令嬢でしたよ」
あれ、過去形?
今も肩書きは子爵家なんじゃ。
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