王子と姫の溺れる愛
高徳 琉王。
高徳グループ会長の孫で、俺と同じく将来を約束された跡継ぎ。

同じく湯王財閥の完璧最強王子・琥珀が、唯一認めたと言われる完璧な男。

琉王が俺と芽梨の間に、何の障害もなくスッと入ってきたのだ。


『兄様、どう思う?
お話もとっても楽しくて、お優しくて、色んなことを教えてくれる方なの!
素敵だなって、思ってて///////
お付き合いしてみようと思うんだけど……』

“お付き合いしてみようと思う”

そんなこと、一度も言ったことがなかった芽梨。

それからまるで運命のように、芽梨と琉王は惹かれ合っていった。
傍で見ていた俺でもわかりやすいくらいに……

ずっと、考えないようにしていた。

芽梨に“恋人が出来る日を”

二人の仲を、引き裂くつもりなんかない。

でも……
芽梨の傍にいたい。

ただそれだけなのに、そんな思いが嫉妬となって琉王にぶつけていた。

芽梨が悲しそうに、表情を歪ませる。

『兄様は、琉王さんがお嫌いなの?』

そうじゃない。
ただ……芽梨が、俺じゃなく“琉王を慕って、頼るから”
それが悔しいだけ。


――――――――――
――――――…………………

「兄様〜!
お待たせして、ごめんなさい!」
矢澤を後ろに控えさせた芽梨が駆けてくる。

煙草を吸っていた、勇雄。
灰皿に煙草を潰し、芽梨に微笑んだ。

「いや、そんな待ってねぇから大丈夫だ!」

「良かったぁ…
フフ…久しぶりだね!兄様とお出掛け!」

琉王が日帰りの出張に出掛けているため、今日は実家で夕食を食べるようになった芽梨。
勇雄が“せっかくだから、外食しよう”と言い、二人は待ち合わせていた。

「そうだな!」
見上げて微笑む芽梨に、勇雄も微笑み返し頭を撫でた。

「兄様、お食事の前に付き合ってほしい所があるの!」

二人は、デパートに入った。
そして並んでゆっくり歩きながら、芽梨が勇雄に言った。

「兄様に、コーディネートしてもらいたいの……!」と。


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