王子と姫の溺れる愛
「あ、め、芽梨!
そうゆう意味じゃなくて!」
珍しく琥珀が動揺している。

「琥珀、これは俺が選んだんだ。
俺の好みになるに決まってんだろ!」

「あ、あぁ、そうか!
そりゃそうだな!」

「芽梨、大丈夫だからな?
ほら、俺と琉王が似てるから俺に頼ってくれたんだもんな!
だから、これで大丈夫だ!
な?」

「うん、大丈夫!
琥珀さんも、貴重なご意見ありがとうございます!」
そう言って微笑む、芽梨。

しかしその笑顔はとても切なく、苦しそうだった。


そして琥珀と別れ、レストランに向かった芽梨と勇雄。

「芽梨。
琥珀のことだが…」

「え?」

「悪気はないんだと思う。
あいつはただ、琉王の気持ちを……」

「わかってるよ!大丈夫!
でも琥珀さんって、とっても凄い方だね!」

「ん?」

「この格好見ただけで、兄様が選んだこと察したんだよ?
洞察力が凄いというか…さすが、湯王グループの副社長さんだ!」

「そうだな。
……………でも、良いのか?」

「え?」

「今回、俺が全身コーディネートしたろ?
琥珀が言ってたように、琉王の好みではないぞ?」

「うん!
それはわかってたことだもん!」

「じゃあ、なんで?」

「ん?」

「なんで“俺に”頼んだんだ?」

「だって!
兄様のすることに、間違いはないもん!
兄様は、私の憧れの男性なの!
物心ついた時から、常にカッコ良くて、優しくて、正しくて、素敵な人。
ずっと傍で見守ってくれた、私だけの兄様。
さっき琥珀さんに言われて悲しかったのは、なんだか…兄様を否定されたみたいで悲しかったの…
だからって、琥珀さんも素敵な方。
いつも正直で、取り繕ったりしない方だからこそ、真っ直ぐ伝えてくれた!」

「……//////そうか…(笑)
やっぱり芽梨も、人をよく見てるんだな!
本当に大人になったんだな、芽梨」

「フフ…そうかな?(笑)
ありがとう……!」

勇雄は向かいで微笑んでいる愛しい妹を見つめ、成長に喜びを感じつつ、なんだか遠くに行ってしまったようで切なさも感じていた。


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