王子と姫の溺れる愛
「――――それでね、琉王さんが……
琉王さんってば………なの〜!
フフ…琉王さんの…………」

食事後。
実家で、琉王の連絡を待つことにした芽梨。

リビングで、勇雄や父親、母親と楽しく話をしていた。

「フフ…芽梨は、本当に琉王くんのことが好きなんだなぁ(笑)」
芽梨の話を聞いていた父親が、クスクス笑いながら言う。

「え…//////」

「フフ…さっきから、琉王さんのお話しかしないじゃない?(笑)」
母親も、微笑んでいる。

「あ…//////
つい…//////」

「昔は、勇雄の話ばかりだったのになぁ〜(笑)」
「そうね!(笑)」
父親と母親が笑っている。

「……//////」

「昔は“兄様と結婚する!”って言ってたな!」

「そうだったわね(笑)
そこは“パパと結婚”ではなかったから、あなた傷ついてたわよね(笑)」

「そうだな(笑)
今でも、あまり“パパ、パパ”って言ってくれないしな(笑)」

「そ、そんなことないよ?
パパのことも、大好きだよ!」

「フフ…ありがとな!」
「フフ…」

微笑み合っている芽梨達の横で、勇雄は昔のことを思い出していた。


芽梨は中学生になる前まで、本気で“兄様と結婚する! ”と言っていた。

『兄様〜』

『ん?』

『結婚したら、こんなお家に住みたい!』

『フフ…おっ、良いじゃん!』

『それで、兄様のためにお家を守るの〜!』

『へぇ~、良いな!それ』

『んー、でも私もお仕事するのも良いかな?
一緒に姫坂を守るの!』

『そうだな!
それも良いかもな!』

『兄様は、どんなお家が良い?』

『そうだなぁ……
俺は――――――』

あの頃、絶対叶わない夢を見ていた芽梨と勇雄。
それでも勇雄は、そんな夢のような話を芽梨と話すことが幸せだった。

中学に入って……漸く兄妹で結婚出来ないとわかり、芽梨は心底悲しんでいた。

『兄様、私達結婚出来ないみたい……』

『でも、兄妹として支え合うことは出来る』

『え?』

『俺は一生所帯を持てなくても、芽梨がいてくれたら何でも出来る。
…………だから、ずっと傍にいてくれ……!』

『フフ…
はい!!』


勇雄はそんな昔を思い出し、切ない表情で芽梨を見つめていた。


< 37 / 41 >

この作品をシェア

pagetop