婚約者が妹と結婚したいと言ってきたので、私は身を引こうと決めました
「私も、国王として兵を率いる。」

クリフの決意に、部屋全体の緊張がさらに高まる。

そしてグレイブは一歩前に出て、胸を張って叫んだ。

「必ずお守り致します!」

その言葉に、私は思わず胸を押さえた。

彼らは、かつて命を奪い合うかもしれなかった男同士だった。

それでも今、互いの信頼と国のために、肩を並べて戦う――。

この国は、きっと守られる。私はそう信じたいと思った。


そして国王が兵を率い、ベンジャミン王との戦に赴くことが国中に知れ渡った。

「グレイブ、頼むぞ。若き国王を、どうか守ってくれ…」

年配の大臣が涙をこらえながらグレイブに抱きついた。その手は震えていた。

「この命に代えましても、国王をお守り致します。」

鎧に身を包んだグレイブの背中は、大きく、そしてとても頼もしかった。

私はただ、その勇敢な姿を胸に刻んだ。
< 104 / 125 >

この作品をシェア

pagetop