婚約者が妹と結婚したいと言ってきたので、私は身を引こうと決めました
「足りない。アーリン嬢に頭を下げて欲しい。」

ベンジャミン王の言葉に、私は驚きと戸惑いを隠せなかった。

「いいんです。一国の国王が平民に頭を下げるなんて。」

私は必死でクリフを止めた。

しかし、クリフは優しい瞳で私を見つめ、静かに言った。


「いや、平民ではない。私のかつての婚約者だ。」

その言葉に広間の空気が一変した。

クリフは深く息をつき、私に向き直って頭を下げた。

「アーリン。許してくれ。」

その誠実な姿に、私は胸の奥が締めつけられた。

「クリフ……!」思わず声が震えた。

私はグレイブの前で、クリフを抱きしめてしまった。

「ああ、クリフ。あなたは何て勇敢で優しい王なの。」

「アーリン。君が私を変えたんだ。」

その言葉に、心から嬉しさを感じた。
< 119 / 125 >

この作品をシェア

pagetop