婚約者が妹と結婚したいと言ってきたので、私は身を引こうと決めました
「分かった。アーリン嬢を見れば、国王がどれほど慈悲深い人であるかがよく分かるよ。」

ベンジャミン王は穏やかにうなずき、私に優しい視線を向けた。

その目に、争いを望んでいないことがはっきりと映っていた。

私は胸がいっぱいになった。

長い間、戦の影に怯えていたけれど、今はもう争いは終わるのだと信じられた。


「ベンジャミン王、これから我が宮殿にお越しください。食料調達のお礼もしたいのです。」

クリフの言葉に、クリフとベンジャミン王が穏やかに見つめ合い、互いに手を取り合った。

「了解した。」

ベンジャミン王の声に、重みと誠意が込められていた。

その瞬間、私は思わず大粒の涙をこぼした。

これほど安堵したのは初めてだった。

「よかった……本当によかった。」

心の底からそう呟いた。

これからの未来に、希望の光が差し込んだ気がした。
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