婚約者が妹と結婚したいと言ってきたので、私は身を引こうと決めました
「知っていて何も対策を打たない国王。私はあなたに失望しました。」

震える声を押さえながら、私は手に持っていた手紙を差し出した。

「こちらをご覧ください。ベンジャミン王子からの手紙です。」


クリフは受け取りもせずに鼻で笑った。

「ベンジャミンめ。余計なことを。」

私は思わず言葉を詰まらせた。余計なこと?

人を救おうとする行為が、どうして“余計”だなんて言えるの?

「……余計なこと⁉」

目の前が真っ白になった。呆れを通り越して、怒りすら通り過ぎてしまう。


「まあ、ベンジャミンがそう言うのなら、いいだろう。隣国からの食糧を受け入れ、国民に配布する。」

それは当然の決断なのに、まるで施しでもするような口ぶりだった。

私は唇を噛んだ。ここで怒りをぶつけたら、せっかくの王子の厚意が水の泡になってしまう。

「……では、宜しくお願い致します。」

頭を下げる私の心の奥では、静かな怒りが今も燃え続けていた。
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