年下敏腕パイロットは想い焦がれた政略妻をこの手で愛して離さない
中央にはキングサイズのベッドが置かれ、純白のベッドリネンが美しく整えられている。天井の間接照明が柔らかな光を落とし、部屋全体を包み込んでいた。

「ホテルみたいだね」
私がそう言うと、鷹野君は小さく頷き、隣の部屋へと私を促す。そこも少し雰囲気は違うが、同じように整えられた落ち着いた空間だった。

さらに奥には、コンパクトな部屋がもうひとつ。書斎や趣味の部屋として使えそうな、シンプルなつくりになっていた。
二人で住むには十分すぎるというより、家族が増えてもまったく問題ない……そこまで考えて私はため息を吐いた。

「やっぱり気乗りしない?」
「あっ」
そう言ったつもりではなかった私は、小さく首を振った。

「そうじゃなくて……」
いや、この言葉も問題だとすぐに悟ったが、口から出た言葉を取り消すことはできない。
「なら、前向きに考えてもいいってこと?」

彼の問いに、返事をすることすら勇気がいる。主導権を完全に握られているような気がして、それが少し悔しい。私は一応、年上なのだから――。
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