年下敏腕パイロットは想い焦がれた政略妻をこの手で愛して離さない
Side 奏多

彼女を月兎で酔っ払いから助けたときも思ったが、こうして抱きしめると、本当に細くて壊れてしまいそうな気がした。
仕事のときのキリッとした姿や、年上だということで、俺も彼女を見誤っていたのかもしれない。

俺の腕の中で頷く彼女は、耳まで真っ赤になっていて、そんな姿がとてもかわいらしく感じる。
確かに、彼女の立場を考え、見合いをして、少しずつ進めていけばいいと思っていた。それで、お互いが無理だと思えば、なかったことにすればいい。

望海さんの父親については、彼女の話からもわかるように、部下が優秀だからこそ会社が回っているのだろう。ならば、いずれ父親が失脚するのも時間の問題だ。そうなれば、彼女も自由になれる。

それまでの時間をつなげばいい。
そんなことはわかっていたのに――。
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