年下敏腕パイロットは想い焦がれた政略妻をこの手で愛して離さない


『結婚しよう』
そう口にしていた。しかも、母親のためだなんて、かっこ悪い理由までつけて。

母が喜ぶのは、確かに理由のひとつだ。しかし、それだけなら、とっくに結婚している。母も見合いは持ってくるが、俺と合わないと思った相手なら勧めてこないし、俺が断れば、あっさりと引いてくれる。

望海さんに関しては、母もかなり気に入ったのだろう。でなければ、こんなに早く家を用意したりして、周りから固めるようなことはしないはずだ。望海さんはもっと以前から家を用意したと思っているようだが、それはないと思う。俺が釣書を見て興味を持ってから、あれこれと考えたのだろう。

『望海ちゃんは、とてもいい子ね』
先ほど、望海さんがフィッティングをしているとき、そううれしそうに話す母を見て、俺も同じ気持ちだった。
義母と付き合うのは面倒だ、そんなことを思う女性も多い中、母の体調を一番に考えられる。
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