年下敏腕パイロットは想い焦がれた政略妻をこの手で愛して離さない
「じゃあ、どんなものを作ることが多いの?」
「自炊は……しないな。いや、できない」
「えっ?」
意外な言葉に思わず驚き、手を止めて奏多君を見た。まさか、あの完璧な彼にも苦手なことがあったなんて――。
自己管理もしっかりしているし、体作りにも余念がない彼のことだから、当然、料理くらいはできるものだと思っていた。
そんな私の考えを見透かしたのか、奏多君は苦笑し肩をすくめる。
「自炊したほうが栄養バランスもいいし、食品の安全性もわかってるんだけど、なかなか……」
そう言いながら、奏多君は少し言いにくそうに視線をそらし、「サプリは飲んでる」と、どこか苦しげな言い訳を口にした。
「それなりじゃダメだよ。ちゃんとしたもの食べなきゃ」
思わず口をついて出た言葉に、彼は少し口角を上げ、「今日は望海が作ってくれてるから助かる」 とさらりと返す。