年下敏腕パイロットは想い焦がれた政略妻をこの手で愛して離さない
小学校、中学校、高校、大学。沙羅はずっと私と同じ場所にいた。

そして、「ごめんね、お姉ちゃん」と泣きながら、私の大切なものを奪っていった。

でも、それは仕方のないことだったのだろう。

地味な私よりも、華やかでかわいらしい沙羅のほうが魅力的に映るのは当然で、私が選ばれる理由などなにひとつなかった。

そう思うようになってから、いつしか恋愛や結婚への憧れは消えていった。

そんな私に持ち上がった見合い話——皮肉なものだ。

そこまで思ったとき、目の前の景色がふと鮮明に戻ってきた。

先ほどまで晴れていた空は、いつの間にか雲が広がり、光を遮っている。

グレーがかった雲の向こうに、飛行機のシルエットがぼんやりと浮かぶのが見えた。


そこまでふと、ひとつのことが気になった。

沙羅はいつも「私に見合う人と結婚するわ」と、ことあるごとに言っていた。

< 17 / 274 >

この作品をシェア

pagetop