年下敏腕パイロットは想い焦がれた政略妻をこの手で愛して離さない
「何度か一緒に飛ばせてもらった。指導も的確だし、公平な人だよな」
「そうなの、公平だから私と沙羅にも平等だった」

兄のように思っている人を、奏多君も認めてくれるのが純粋にうれしくなる。
「俺と望海の結婚のこと、木村機長は知ってるのか?」

「うーん、どうだろう。まだ公にしないって約束、さすがに父も守ってると思う。なにか心配事があった? 知っていたとしても、むやみに人に話したりはしないと思うけど……」
立場のある人な上に、私の結婚なんて、征爾兄さまは特に興味がない気がする。

「いや、そんな心配はしてないよ」
「じゃあどうしたの?」

「彼との結婚も、可能性としてはあったんじゃないかなって思っただけ」
思いがけない言葉に、一瞬、言葉を失う。確かに、征爾兄さまの家は、お父様が官僚で、お母さまは旧華族という家柄だ。政略結婚として考えれば、全くない話ではないとは思う。
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