年下敏腕パイロットは想い焦がれた政略妻をこの手で愛して離さない


……でも、それを芽衣に言うわけにはいかない。

「あっ、だからか」
なにか思い当たったのか、芽衣がぽつりと口にする。

「え?」

「木村機長、どうして来たのかと思ったの。社長は木村機長とあの子を近づけたかったんだ」

「ああ、そうだと思う。私が捨てられないように、父は必死なのよ。征爾兄さまも気の毒」

「征爾兄さま?」
そこが気になったのか、芽衣は女将さんから茄子の煮びたしを受け取りながら聞き返した。

「家同士の付き合いがあって、兄のような人なの」
「ハイスペ男子がいっぱいでうらやましい」
「なに言ってるの、芽衣、彼氏いるじゃない」

呆れたように言うと、芽衣は「それとこれは別よ。でも……」と言いかけて、少し考え込むように箸を置いた。
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