年下敏腕パイロットは想い焦がれた政略妻をこの手で愛して離さない


こんな風にスーツを着こなす彼を見たのは、見合いの日以来かもしれない。
――それに比べて、私は……。

ふと自分の姿を見下ろし、少し不安になる。
仕事帰りだから、服装はほぼいつものオフィスカジュアル。多少は食事に行くことを考慮し、白のシンプルなブラウスにベージュのジャケットを合わせた。

ボトムスは、いつもより少しきれいめを意識し、タイトすぎず広がりすぎない上品なシルエットのネイビーのひざ丈スカートを選んだ。足元はベージュのパンプス。

全体的に落ち着いた雰囲気にまとめたつもりだったが、隣でハンドルを握る奏多くんの完璧なスーツ姿と比べると、どうしても自分の服装が少し心もとない気がしてしまう。
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