年下敏腕パイロットは想い焦がれた政略妻をこの手で愛して離さない
アクセサリーも、仕事の邪魔にならないように小粒のパールのピアスをつけているだけ。バッグもA4サイズが入るビジネス向けのもので、普段ならなんの問題もないけれど、もしこれから行くお店が高級な場所だったら……?
浮いてしまわないだろうか。そんな不安が頭をよぎる中、車は静かにスピードを落とし、やがて都内でも有数の高級ホテルのエントランスへと滑り込んだ。
重厚な扉の前に、制服姿のベルボーイが数名控えている。煌びやかなシャンデリアの灯りが、ホテルの外まで漏れている。
「もしかして、この間テレビで見た新しいフレンチのお店?」
「よくわかったな」
クスクスと笑いながら、奏多君は慣れた様子でベルボーイにキーを預け、颯爽と車を降りる。