年下敏腕パイロットは想い焦がれた政略妻をこの手で愛して離さない
「なんてきれいな肌……」
誰かが感嘆するように呟いたかと思うと、次の瞬間には、私の周りを囲むようにしてスタッフたちが一斉に動き出す。
あれよあれよという間にドレスを選ばれ、ヘアメイクまで施されていった。
仕事でもメイクはもちろんするが、それはあくまでナチュラルメイクで、普段も派手なメイクをすることはほとんどないため、こんなにも完璧で華やかな仕上がりは、もしかすると初めてかもしれない。
品がありながらも地味すぎず、華やかだけれど派手にはなりすぎない。絶妙なバランスに、さすがプロだと感心してしまう。
鏡に映る自分を、まじまじと見つめた。
――これが、私?
自分で自分がわからなくなるほど、印象が変わっていて目を瞬かせた。
「さあ、お連れさまがお待ちですよ。きっとびっくりしますよ。きれいすぎて」
スタッフの女性が微笑みながらそう言うと、周囲の人たちも頷くようにして私を見つめていた。
「そんな……」
あまりにも褒められすぎて、どう返せばいいのかわからない。
照れくささと恐縮の気持ちが入り混じりながらも、私は「ありがとうございます」と小さくお礼を言い、案内された場所へと向かった。