年下敏腕パイロットは想い焦がれた政略妻をこの手で愛して離さない
重厚なカーペットが敷かれたホテルのラウンジは、落ち着いた照明が心地よく、窓際には夜景を一望できるシートが並んでいる。静かに流れるジャズの音色、磨き抜かれたガラスのテーブル、繊細な装飾が施されたソファ。すべてが洗練された場所の一角。
窓の外を眺めながら、ゆったりとお茶を飲む奏多君の姿があった。白磁のカップを傾ける仕草まで絵になる彼に、周囲の客たちの視線が自然と集まっている。
それは女性だけではない。男性客ですら、無意識のうちに彼の姿を追っているようだった。
それほど、彼は目立つ。普段、一緒にいるときにはそれほど感じないのに、こうして改めて見ると、まるで別世界の人のように思えてしまう。
こんな人の隣に、私が立ってもいいんだろうか。そんな考えが一瞬頭をよぎり足が止まった。
それでもさっき私は彼の隣に立てるように努力をすると決めた。一歩足を踏み出した瞬間、不意に奏多君がこちらを向いた。
視線が合った瞬間、奏多君の動きがなぜか止まった。窓の外を見ていたときの穏やかな雰囲気は消え、じっと私を見つめている。