年下敏腕パイロットは想い焦がれた政略妻をこの手で愛して離さない
そう思い、私は彼に腕を絡めながら、笑顔を向けた。
最上階にあるフレンチレストランは、三ツ星がつくほどの名店だ。個室からは東京の夜景が美しく見え、ネオンがキラキラと輝いている。
「きれい……」
つい声が漏れ、その景色に見ほれていると、完璧な立ち姿の男性がやってきて、私たちにメニューの説明をしてくれる。
「望海、飲むだろ?」
「え? 奏多君は?」
「俺は……車もあるしな」
確かに今日はここまで車で来たことを失念していた。
「じゃあ、私もノンアルコールで」
奏多君もお酒は好きなほうだと思う。月兎で会った日も、日本酒もビールも飲んでいたし、家にはワインセラーもある。それに、普段はフライトの関係もあり、飲むことを控える日も多い。
わざわざ私に合わせて今日、食事にきてくれたのに、付き合わせるなんてできない。
すると、奏多君はほんの一拍間を置いてから、ふっと笑みを浮かべた。