年下敏腕パイロットは想い焦がれた政略妻をこの手で愛して離さない
「どうした? シャンパンより日本酒が好きとか?」
私の表情の変化に気づいたのか、奏多君が冗談めかした口調でそう言いながら、こちらを見つめる。
「そんなことないよ。シャンパンもワインも好き。自分では作れないし、こんな素敵なお店に連れてきてもらって……幸せだなって」
そう言葉にした瞬間、自分でも驚いた。彼がこうしてストレートに褒めたり、思いを伝えてくれたりするからだろうか。以前よりも、私も素直に気持ちを口にできるようになった気がする。
「そっか……」
奏多君はそう答えたものの、そのあとに続く言葉を呑み込んだように見えた。調子に乗りすぎたのかもしれない。
ほんの少し、胸の奥に不安がよぎったそのとき、タイミングよくスタッフが入ってきて、美しく盛り付けられた料理がテーブルに並べられていく。