年下敏腕パイロットは想い焦がれた政略妻をこの手で愛して離さない
そんな思いしかなかった。確実に動揺しているのだが、その反面もしここで本当の夫婦になれたなら、ずっと一緒にいられるかもしれない。そんな打算が頭をよぎり、自分の浅ましさに息苦しくなる。
シャワーを浴び、ホテルのパジャマに着替えると、鏡に映る自分をじっと見つめた。家にいるときと同じ、いつも通りで大丈夫。そう言い聞かせながらリビングへ戻ると、奏多君は窓の外を見つめていた。その前には、ルームサービスなのか、簡単なおつまみとワインが置かれている。
ワイングラスに揺れる赤ワインと、雨に霞む夜景。その取り合わせがどこか煽情的で、私は思わず見入ってしまう。
「望海? 戻ってたんだ。これじゃあ、今日は飛行機も飛ばないな」
私に気づいた奏多君が、いつも通りの柔らかな笑みを浮かべる。それは先ほどの憂いの表情とは違い、いつも通りの彼だった。それがまた複雑な気持ちになる。
「俺も入ってくるから、先に寝て。望海がベッドを使えばいい。俺はソファで十分だから」
――俺はソファ……。そうか、一緒に眠るつもりなんてないのか。
先ほどのまでの自分が恥ずかしくなり、どんどん自虐的な思いがあふれてきてしまう。
私は沙羅みたいにきれいじゃないし、魅力だってない。こんな私じゃ、彼を引き止めることなんてできない……。
唇を噛み、俯きながら、自分の手をぎゅっと握りしめた。
シャワーを浴び、ホテルのパジャマに着替えると、鏡に映る自分をじっと見つめた。家にいるときと同じ、いつも通りで大丈夫。そう言い聞かせながらリビングへ戻ると、奏多君は窓の外を見つめていた。その前には、ルームサービスなのか、簡単なおつまみとワインが置かれている。
ワイングラスに揺れる赤ワインと、雨に霞む夜景。その取り合わせがどこか煽情的で、私は思わず見入ってしまう。
「望海? 戻ってたんだ。これじゃあ、今日は飛行機も飛ばないな」
私に気づいた奏多君が、いつも通りの柔らかな笑みを浮かべる。それは先ほどの憂いの表情とは違い、いつも通りの彼だった。それがまた複雑な気持ちになる。
「俺も入ってくるから、先に寝て。望海がベッドを使えばいい。俺はソファで十分だから」
――俺はソファ……。そうか、一緒に眠るつもりなんてないのか。
先ほどのまでの自分が恥ずかしくなり、どんどん自虐的な思いがあふれてきてしまう。
私は沙羅みたいにきれいじゃないし、魅力だってない。こんな私じゃ、彼を引き止めることなんてできない……。
唇を噛み、俯きながら、自分の手をぎゅっと握りしめた。