年下敏腕パイロットは想い焦がれた政略妻をこの手で愛して離さない
「どうした? 酔った? 体調悪い?」
心配そうに奏多君が私の方へと歩み寄り、顔を覗き込もうとする彼の胸に手を伸ばし、これ以上来ないでという意思表示をする。

「望海?」
そんな私の行動の意味などわかるはずもない奏多君が、驚いたような声を上げる。

「やっぱり私なんかじゃ奏多君を満足させられないよね……」
そんな自虐的なセリフが、無意識に零れ落ちていた。

「いつも私のこと、かわいいとか、褒めてくれるけど、本心じゃないんでしょう? 私は沙羅みたいにきれいでもないし、魅力もない。一緒の部屋にいたって、なにもしたくないよね」

 ――最悪だ。

こんなの、ただの八つ当たりでしかない。奏多君からすれば、面倒な女だと思われるだけだろう。それでも、私は止まらなかった。
「今からでも沙羅に換える? 華やかで自信もあって、私なんかよりずっと奏多君に釣り合う――」
そこまで言った瞬間、強く唇を塞がれた。
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